あまい眩暈

ゆらゆらしているエッセイみたいなもの

君に会うために着ていくお洋服くらい妄想させてね

わたしはわりと短編のお話を書くのがすき(というかむしろ短いものしか書けない)なのだけれど、長いものしか書けないって言うあるひとが「短編の終わり方がわからない」って言ったことばの意味をなんとなく考えてました。たしかになぁ。生きてる中で終わるものって、そんなにないね。賞味期限とか、句読点とか、締め切りとか、映画とかそれこそ短編小説とか、人生を区切るものはあるけど、でもそれはそのひとの一部を切り取った時間でしかなくて、その終わりは他の何でもなく、、、何でもないんだよなぁ・・・

にのみやかずなりが出演の映画「母と暮せば」を観たせいで、公開日から生と死みたいな諸行無常みたいなそういう重たいテーマ考え始めちゃってもうにのくんは儚くてうつくしくてかなしみが似合うからやたら感情移入しすぎた。よくよく考えたらわたし戦争ものの映画とかドラマとか小学生の時からほんとうにむりで(というのも授業か何かで観た絵本とかでトラウマ)、公開の日をかなり楽しみにして映画館に行ったのだけれど、「まって、そういえばこれって原爆が落ちてにのくん死んじゃうやつだった・・・」ってなぜかオープニングの音楽が流れた時に突然気づいてかなり最初は怖かったのですが、浩二くんがお母さんの前に出てきて、「ぼくだよ」って後ろから声をかける時のにのくんの声がものすごく優しくてそこから涙腺がおかしくなりはじめました(笑)個人的には、浩二くんがスパイ容疑で憲兵に捕まった後にお母さんと中華街でちゃんぽん食べたってエピソードで、お母さんの鼻水がはいったちゃんぽんを「うまか〜」って食べるにのくんと、お兄さんが戦死する際にお母さんの夢枕に出てきて、浩二くんが2階から駆け下りて、泣きすがるお母さんを抱きとめるにのくんがすきです。あと、町子ちゃんとの追憶は、やたら浩二くんが甘くてとんでもなく色男でいろいろとずるい。あの頬の撫でかたなんなの???(「浩二さんの瞳に、うちのが映っとる……」)腕相撲をあんなに色っぽくできる???(「町子は、すきなひと、おっと…?」)触れ方といい引き寄せ方といい甘ったるくて気怠い声色といいどこで覚えたそのテクニック状態で映画館内でひとり赤面でしたよほんとに心臓にわるい・・・・・
でもどれだけときめいても町子ちゃんと浩二くんのシーンは思い出しかないのがせつなかった。最後のおわかれを言う時間もなく、まばたきをする一瞬くらいの時間でその恋は消えてしまって、最後、浩二くんがようやく町子ちゃんを見れたその横には婚約者がいて、町子ちゃんの表情は、喪失感でいっぱいで、だなんて、かなしすぎて、もう、鯨め…ってなった。(あこ、それ母と暮せばとちゃう、グラスホッパーや……)




映画を観た後に、NHKの「山田洋次×美輪明宏×二宮和也」の対談番組を観て(これも気軽に観れる番組じゃなかった・・・)実際にその時代を生きたひとの話を聞いて、やはり惨いし、恐ろしいし、かなしいし、負の感情しかわかないけれど、山田洋次監督がこの映画で伝えたかったのは、吉永小百合さんの台詞にもあるように、「この悲劇は運命でも必然でもなく、人災であり、人間が防げたことである」ということもひとつであると思うから、戦争や原爆をしらない世代だからこそ、わたしたちは想像しなければならないのだろうな。
パンフレットや関連文献を読まなくてもわかったのは、最後の鎮魂歌は、昭和20年8月15日までの魂がうたっていて、そこには8月9日の魂も、浩二くんの魂も、お母さんの魂もあって、何百何千何億の願いがあるということ。深い優しさと、深いかなしみのある映画でした。


・・・あ、ちらっと触れたけど、わたしちゃんとグラスホッパーも観た、観ました。母と暮せばを観たときは「いつかちゃんと文章にきもちをまとめたい」と思ったのだけれど、グラスホッパーは、もはや言わなくてもわかるでしょ、わたしはやまだくんのこれがすきなのよ、って、勝手に自己完結してました。ごめんやまちゃん。またいつか感想ちゃんと書こうと思う。これだけ今言わせてもらうと、シジミを見るとやたら反応して思わず「プクプクプクプクしやがってよぉ…」って蝉になりきってしまうということ。蝉たん愛おしい。


そんなわたしの愛する二宮和也と、山田涼介が出演する映画を先月から観てきたわけですが、とうとう来年の3月25日に公開するあの、、あの暗殺映画の最新情報が、、解禁されましたね!!!!!!!


あの興奮と幸福をもういちど、さらに今回は同じスクリーンでふたりを観ることができる喜びを味わえるなんて・・・なんかもうほんとうにかみさまありがとうの世界すぎて目がまわりそうな毎日です。その日までにお仕事がたんまりあってもちゃんと片付けてがんばるので、君に会うために着ていくお洋服くらい妄想させてね。

それはそうとあしたはにのくんの愛してやまないあいばくんのお誕生日!